バンバンジーサラダ大好物♪樹里DIARY

2018年06月10日

ビッグデータの収集と活用に開けた道

欧米に続き、日本の製造業でもビッグデータ活用に取り組む企業が多く見受けられるようになりました。IoT導入などをきっかけに、製造工場の稼働率向上を目的としたデータ活用が注目されるようになったことが背景でしょう。

IoTはセンサーにより工場の機器稼働状況を把握したり、障害の発生を防止して生産性を高めるモニタリングに使われるのが主です。機器の制御、製品の監視、不良品の排除など、人的作業の負担を大幅に軽減することで無駄なコストを削減しています。

そんな中、製造現場でどのようにデータ活用を行うかは、まずどのようなデータ収集を行うかにもよります。製造工程でのデータ収集はすでに古くから実施されて来たことですが、それこそ大昔は手書き測定での記録保管でした。

その後デジタル機器による通信技術でリアルタイムのデータ収集が行えるようになり、瞬時に多種多様な形式で個別のPCに送られるようになりました。そこから共通データ形式が採用され、これに各センサーからの毎秒ごとの情報まで集約されるようになり、製造におけるビッグデータが生まれました。

そんな現在で一番重要視されるべきなのは、これらのビッグデータをどのように有効利用するかという議論です。欧米の研究者によれば、機器のメンテナンスに使われるのはこれらのデータの7%ほどに過ぎないと推測されているのが現実。

ビッグデータは当然ながら個別の機器で分析し切れるようなものではなく、実態を理解するためには専門のITコンサル企業が必要です。一般に製造におけるビッグデータは、量、速度、種類の3つで構成できますが、特に速度に注目するべきという指摘があります。

例えば、消費者のニーズに対応できるサービス提供のためにデータ活用を行うのも、速度に関連します。いかに早く他社に先駆けて購入者のデータを収集し、商品開発につなげるかも速度。製造ラインの機器をリアルタイムで制御し、工場内外の環境情報を分析することも速度です。

マーケティング目的のような広い範囲のデータの増大はなくても、センサーの個数が増えればデータ量は爆発的に増大します。そこで求められるのは、これらのビッグデータを長期間蓄積し、各項目ごとに相互関係を洗い出すという分析作業です。

項目というのは、例えば月、顧客からの注文、設備など様々考えられますが、こうした大きな項目の関連性が見えて来れば、事業そのものが見えて来ます。季節やタイミング毎にプロセスを数値的に最適化することも出来るでしょうし、予知保全や品質向上にも活用出来ます。

判断は現場を知るマネージャーが行う必要がありますが、意思決定の裏付けとなる適切な分析が可能となります。複雑になりがちな製造におけるビッグデータの活用は、今まさに収集と活用に道が開けたところです。